前編 後編

1: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 13:17:30.05 ID:twHk3r60
思い返せば14年前にあなたと出会った。
オレの今までの恋愛やそれに関わっていたすべての人たちに感謝の意を込めてこのスレをを立てさせていただきました。
オレと出会ったみんなが、今どこかで元気にやっているといいなぁ~と思って昔を思い出しながら、また自分の気持ちを整理するために書いていこうと思います。
勝手な解釈や誤字・脱字など不愉快な表現が多くあると思いますが、素人の文章力と思っていただきご了承いただければと思いいます。
2: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 13:20:22.56 ID:twHk3r60
関西の大学を卒業し、地元には帰らずそのまま関西で就職することとなった。
実家は商売をやっているので丁稚奉公のような感覚で親が用意した就職先であった。
オレと同期入社に2人男がいて、HとTであった。
Hとオレは一人暮らしだったので、会社の用意したマンション(半分会社負担)に住むことになった。
Hはなかなか男前で身長も高く、高橋○○(ド忘れしたが、サラリーマン金太郎役をやってた役者)に似ていた。ということでH=高橋とする。

3: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 13:21:44.28 ID:twHk3r60
オレはまだまだ未熟者で社会人とはいえ学生感覚が全く抜けず、仕事をしながらも遊びのことばかりに気持ちはいっていた。
このころのオレの『遊び』とは『オンナ』しかなかった。
来る日も来る日も女とヤルことしか考えてないような生活。
毎週末が楽しみで仕方がなかった。
たまに帰る実家でも、旧友たちとナンパにいったり、飲み会したりとそんな生活を送っていた。そんな旧友というエイジという男がいた。

5: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 13:22:58.05 ID:twHk3r60
エイジとは幼稚園のときからの親友で、幼・小・中と同じクラス、高校は違ったが一緒にバンドを組んでいたいたため疎遠にもならず、すっと仲良しだった。
エイジとともに女というものを模索しながら大人になったといっても過言ではないww
週末になるとクラブでナンパ、実家に帰るとエイジを呼び出し夜な夜な『女遊び』にふけっていた。

9: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:40:16.50 ID:twHk3r60
決して特定の彼女を作る気がなかったわけではない。
そのころのオレは不器用だったのか、恋愛の仕方や人を好きになるということを知らなかったんじゃないかと思う。
たまに会う友人にも『彼女つくらへんの?』『まだ彼女いないの?』とか。
そう考えると、今までまともに彼女と呼べる人はいなかった。
遊びの延長で付き合ってるのか付き合ってないのかわからないような関係。都合のいい女ばっかりだった。
まぁ最悪な男だったんでしょう。

10: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:41:23.23 ID:twHk3r60
社会人になり2年目の春、会社に行くと新入社員が来ていた。
男子1名女子3名。
『とうとうオレも先輩かぁ~』なんて思いながら一人ずつの顔を観ていく。

11: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:43:29.07 ID:twHk3r60
1人目はIといういかにも好青年を絵にかいたような爽やか君。
I『Fさん(おれ)、住むとこも一緒なんでいろいろ教えてくださいね!よろしくおねがいします!!』
オレ『う、うんwwよろしくな!』
Iは大学時代にはテニス部のキャプテンを務めていたらしい。う~ん、爽やかww松岡修造みたいに熱血っぽいwwww
ということでI=修造とするww
彼も実家を離れ、一人暮らしをすることになり、オレと高橋と同じマンションに住むことになった。
ちなみのみんな同じフロアの部屋だった。

12: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:44:47.40 ID:twHk3r60
3人の女子社員は
2人が営業で、1人が事務ということになっていた。
高橋やTと『初々しいねぇ~』なんて言いながら眺めていた、が、、、、
3人のうちの1人に目がとまった。というか動けなくなった。
一目惚れだ。たぶん。なんだこれ。
いや、わからない。何ともいえない感じになってしまった。

13: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:46:06.43 ID:twHk3r60
とりあえず仕事も終わり、なんか変な感じのままマンションに帰ってきた。
んー。。。何なんだこの気持ち?やっぱり一目惚れなのか?
今まで一目惚れがなかったわけではない。
しかし今回のは今までとは違う。
まーいいや、今後どうなるかもわからんし、今どうこう考えても仕方がない。

14: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:47:47.76 ID:twHk3r60
そこから数日が過ぎ、会社で彼女をチラチラ見ては、このはじめての感覚を理解しようとしていた。
顔は可愛いが、オレの今までの好き?になってきたタイプとは全然違う。
でもオレは今までの誰より心を惹かれてしまっていると思われる。
こんなことを考えながら、仕事が終わり、会社帰りに買ってきたコンビニ弁当を食べはじめた。

15: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:50:37.10 ID:twHk3r60
食い始めてしばらくすると部屋のインターフォンが鳴った。

『お、高橋かな?なんやろ?』

インターフォンに出る。

オレ『はい、はーい』

?『Sですけど・・』

オレ『えっ?誰?』

?『同じ会社でおせわになってます、新入社員で入ったSですけど・・・』

オレ『?!?!?!?!?お、おっ、ちょっと待ってて』

なんと、Sとはオレが不思議な気持ちを抱いていたあの子だった。

16: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:53:46.76 ID:twHk3r60
ガチャっ!ドアを開ける。


オレ『ど、ど、どないしたんっ??』

S『あの~、醤油貸していただけないですかぁ~?』

オレ『はっ??』

S『今日、修造君のところで同期会してるんです!鍋してるんですけど、醤油買うの忘れちゃって。。。』

オレ『そういうことやったんかぁ~、ええよ、』

S『ありがとうございます!』

オレ『こ、これでいいかな?最近使ってないから匂い嗅いで確かめてから使いやwwwwww』

S『wwwwww了解ですwwwwwwww』

そう言って彼女に醤油を渡してドアを閉めた。

顔も可愛いが、声も可愛い。。。声フェチのオレにはたまらん声だ。
笑ってる顔は最強に可愛い。。。

しかしオレは完全に動揺していた。
オレとしたことが、気の利いたことも言えず、醤油を渡して終了とは。。
しかし完全に不意を突かれた。

17: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:58:13.64 ID:twHk3r60
ん、?!ちょっと待てよ?借りにきたということは。。。
よし!彼女は確実に返しに来る!

とりあえず部屋を片付ける。部屋に上げるつもりはないが、チラリと見える光景もキレイに片付いていると好感もてるやろ。
次は服装。さっきは会社から帰ってきたままのくたびれスーツ。とりあえずちょっとおしゃれな部屋着にチェンジ!!
さぁー来い!!!準備は整った。すると数時間後

『ピィーンポーン』

オレ『!!!』来た!

オレ『・・・ふぅー』とりあえず一呼吸。

オレ『はいっ』インターフォンに出る。

修造『オレです。修造でーす!醤油ありがとうございました!』

オレ『っ、、、お、おう、今開けるわ。』

おいおい、、待てよ、、、修造かよ~~~

18: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 20:59:57.33 ID:twHk3r60
ガチャっ。満面の笑みの修造がそこに立っていた。

修造『先輩っ!醤油ありがとうございました!』

オレ『、、、あ、全然、いいよ、、、』

修造は部屋の中をオレ越しに眺めながら

修造『Fさんってなんかおしゃれな感じっすね~』

お前に言われてもなぁ~。。。

いや、待て。修造から話が伝わる可能性は大!
頼む!いい印象だけ伝えてくれ!

19: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 21:01:04.54 ID:twHk3r60
修造が部屋に戻り、オレはドアを閉めベッドに座る。

オレ、なにやってんだろう?

てかオレどうしたんだ?

コレって・・・完全にハマってしまっている。。。

20: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 21:03:05.37 ID:twHk3r60
さて、これからどうしよう?
オレのこれまでの恋愛らしきものではクリアしたことのない壁がいくつか用意されているわけだ。

・オレの状態が今まで気持とは全く違うので思うように行動できない。

・会社内での恋愛(一方通行)なのでガッつけない。

・てか現在彼女に彼氏はいるのか?それすら聞けてない。

さぁどこからクリアしていくべきか?
まずは現在進行形の彼氏がいるのかどうかを確認しよう!
会社内には給湯室なるたまり場があった。
ここでお茶を飲んだり、タバコ一服したりと、男女関係なく休憩している。
ここで一緒になった時にいろいろ話をしてみよう。
もちろん今までに話はしたことはあるが、プライベートな話には触れてない。
今度は触り程度聞いてみよう!なんて考えてた。

21: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 21:04:57.37 ID:twHk3r60
そんなある日、朝、事務所内で彼女を見かけた。
顔の血色は悪く、うつむいている。
ん?どしたんだ?と思ったが、その日はすぐ外回りに出なければいけなかったので、気にはなっていたがそのまま会社を後にした。

夕方に戻ってきたときには、彼女の姿はなかった。
何気なく事務のおばちゃんに聞いてみた。
オレ『あれ?Sさん、おらへんの?』

おばちゃん『なんか、調子悪いみたいで帰ったよ。でもちょっと泣いてたっぽく見えたんやけどなぁ・・・』

オレ『・・・ふーん・・・そうなんや・・・』

22: ◆AkBqXzge7. 2010/07/12(月) 21:09:11.77 ID:twHk3r60
気にはなったけど、どうすることもできず、給湯室でタバコに火をつけた。
そこにオレの先輩である事務員の綾ちゃん(年齢はオレの一こ下)がタバコ休憩にきた。
綾は、なかなか面倒みのよい、小柄で可愛らしい先輩。
しかし女子事務員の中では厳しいと恐れられている。

綾『なぁなぁ、知ってるぅ???Sさん、今日早退したろぉ~』

オレ『(知ってるけど)そうなん??体調悪かったんかなぁ~』

綾『どうも違うらしいでぇ~。男絡みらしいよ~』


オレ『(?!?!??!?!)そ、そうなんっ?ま、ま、まだ若いから、、い、いろいろあるでしょぉー』

なんて返したが、かなり動揺していたはず。
男?彼氏?とりあえず動揺をかくしながら質問してみる。

オレ『相変わらず情報通やねぇ~wwwwどこからの情報なん?』

綾『ケイさん(Sと同期の子)に突っ込んで聞いてみたwwwwww』

綾『はっきりは言わんかったけど、間違いなく男関係やね~ww』

オレ『は、はははっww(完全空笑い)』

26: ◆AkBqXzge7. 2010/07/13(火) 08:08:21.39 ID:2z75kGI0
そこにもう一人給湯室に入ってきた。

オレの営業の先輩の北川さんだ。
北川さんは綾と同期。イケメンで誰が見てもモテそうな顔つき。
しかも話も面白く、仕事もできる。オレも憧れる先輩だ。
北川はもちろん仮名だが、ジャニーズ系なので北川としてみましたww

北川さんは同じ会社の本田さんと付き合っているという噂があった。
噂というが、休日に他の社員が何人も目撃してることからして間違いのないことであろう。
本田さんとは、営業の販促部で見た目はちょっと派手目でグラマラスなおねーさんwwww
不謹慎ながら1度はお願いしたいと思ったことのある先輩だwwww

27: ◆AkBqXzge7. 2010/07/13(火) 08:09:45.86 ID:2z75kGI0
北川『なんか香ばしい話してるやぁーんwwww』

綾『なんかね、Sさんが・・・・・・・・・』

北川『へーwwでも若い時はよくあることやからあんま騒ぎ立てんほうがええでww』

綾『そやけど・・・早退するほどでもないんちゃう??社会人として・・・・・・・・・・・・』

綾の社会人論が続く中、オレはそっと給湯室を出た。

28: ◆AkBqXzge7. 2010/07/13(火) 08:11:43.15 ID:2z75kGI0
うーん・・・・なんか・・・複雑な気持ち・・・・

彼女には好きな人がいて、それに対して涙を流している・・・・

好きな人がいることは全然不思議なことではないし、彼氏がいるということも信じられないことでもない。
しかしその事実を受け止められそうにないオレがいた。
あーやっぱり彼氏いたんだ。。。。そんなことをぼんやり考えながらデスクに戻り、何となく仕事をこなした。

29: ◆AkBqXzge7. 2010/07/13(火) 08:44:33.57 ID:2z75kGI0
次の日、彼女は普通に出社し、普通通り元気な笑顔を振りまき仕事をしていた。
昨日のあの話ってなんだったんだろう?って思うほど普通だった。

30: ◆AkBqXzge7. 2010/07/13(火) 08:46:07.81 ID:2z75kGI0
それから数カ月、オレはなにもアクションを起こせぬまま時だけが過ぎた。
修造の部屋には同期の3人はよく遊びに来ていた。
何度かマンションロビーとかで会うこともあったが、挨拶やちょっと話す程度のものでなかなか彼女に接近できるような機会はなかった。
しかし転機が訪れた。同じ仕事を担当することになったのだ。

オレ『これからよろしくたのむでー!!』

S『こちらこそお手柔らかにーwwww!』

今までそんなに話す機会もなかったけど、一気に2人の距離が縮まった気がした。

31: ◆AkBqXzge7. 2010/07/13(火) 08:47:35.21 ID:2z75kGI0
それからは毎日が楽しい日々だった。オレって単純やね。
以前の涙の理由を忘れたわけではないけど、今ある笑顔がすべてだと思えた。
もちろん仕事も一生懸命やったし、バカな話もいっぱいした。
ただ、今彼氏がいるとか好きな人がいるとかは聞けなかった。
これを聞くと今の状態がすべて壊れてしまうと思った。
彼女のなかではなにも変わらなくても、オレのなかのすべてが崩れてしまうと思った。
ただただ何もできず、いつものように笑って話できるだけでよかった。

32: ◆AkBqXzge7. 2010/07/13(火) 08:48:45.50 ID:2z75kGI0
しばらくして同期のTか会社を辞めた。
病気を患ったこともあり、しばらく入院をしている間にいろいろ考えて建築関係の試験を受け、そっちの方向に進みたいとのこと。
それと同じような時期に北川さんの彼女の本田さんも会社を去って行った。
本田さんのやめた理由はよくわからなかったのだが、変な辞め方ではなかったと思う。
ま、特に知ろうとも思わなかっただけど。
そのうち北川さんと結婚でもするんかなぁ~その花嫁修業で辞めたんかなぁーなんて思ってた。

36: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:07:01.07 ID:9EEQMQM0
オレ・高橋・修造は同じマンションに住んでいる。
部屋の大きさは同じはずなのだが、修造の部屋が一番広く感じた。
だからなのか、いつもみんなで集まるときは修造の部屋ばかりだった。
鍋をしたり、ビデオみたり、くっちゃべったり。

37: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:12:12.95 ID:9EEQMQM0
ここで一旦、登場した人、登場してない人も含めて紹介したい。
話の流れ上、一度紹介しておくと楽なもので。。。

オレ(男)=俺。Fと記載されていることもある。
S(女)=会社の1年後輩。
修造(男)=会社の1年後輩。同じマンション。
エイジ(男)=オレの地元の幼馴染。
ケイ(女)=会社の1年後輩。
エル(女)=会社の1年後輩。
高橋(男)=オレの同期。
T(男)=オレの同期。既に退社。
北川(男)=オレの1年先輩。
綾(女)=オレの一年先輩。
本田(女)=オレの2年先輩。北川の彼女。既に退社。

こんな感じかな?

38: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:13:47.00 ID:9EEQMQM0
そんなたまり場に出席率の高いメンバーは、修造(主なので当然か;)、オレ、Sだった。
最近は北川さんや綾ちゃんもよく参加するようになってきた。
修造の部屋を開けると、北川さんとSが既に盛り上がってるということもよくあった。

39: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:14:23.87 ID:9EEQMQM0
Sも出席率が高いのは発起人になってることが多いからだ。
オレは一緒に仕事をしていた為、今度みんなであそばへん?みたいなことを最初に聞かれるので断る理由もなく、OKと答えていた。

40: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:15:26.65 ID:9EEQMQM0
修造も彼女は居なかった。
いい男なんだが、出会いもイマイチなかった。
オレみたいにフラフラ遊んでるわけでもないし、まじめでいい男なんやけどなぁ。
まじめでいい男=ただのいい人になっちゃってたんかな?女の子の対応もそんな感じだったような気がする。

41: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:16:36.82 ID:9EEQMQM0
オレは相変わらずSのことは気になってはいたが、何もできない自分が歯痒くて、それを払拭するかのように、遊び呆けてた。
他の出会いでSのことをなにも思わなくなることを願ってたのかも知れない。
Sもオレがそこそこ遊んでるってのは知ってた。
たまに『Fさーん、女の子騙してばっかりいたらあかんでー!』なんてのを冗談で言われ、本気で苦笑いした経験もある。
実際は自分自身を騙そうとしているのにね。

42: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:19:01.91 ID:9EEQMQM0
そんなある日、相変わらず出席率の高い3人で昼飯を食ってるときにSに彼氏がいないことがわかった。
こんなことが今まで聞けずにいたことを後悔したが、彼氏がいないことの喜びには勝てなかったwwwwww しかし彼女の顔は一瞬曇ったように見えた。
そのついでに、元彼の話も聞いた。
あんまり聞きたくなかったが、オレの天の邪鬼な性格上その話に乗っかるかのように聞いてしまった。
以前、会社で泣いて早退したというのも事実で、フラれたショックで全く仕事にならなかったらしい。そんなことを彼女は笑って話していた。

43: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:21:51.87 ID:9EEQMQM0
オレは仕事を早退ことからかっていた。
オレ『めっちゃ子どもやなー』

S『いやいや、一途なんですっ!』

オレはSに思われてた元彼が羨ましくて仕方なかった。

44: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:25:30.11 ID:9EEQMQM0
S『全然話ちがうんやけど、、、ちょっといい、、??』

オレ『いいけど、なんやねん???』

S『あんなー、Fさんって呼ぶと堅い感じするから、これからソウちゃん(下の名前)って呼んでいい、、、、??』

オレ『へっ????ぜ、ぜ、全然いいよwwwwwwww』

S『やったwwwwwwwwなんかこの方が仲良しっぽいしwwwwwwwwww』

オレ『んじゃ、オレも呼び方変えるわwwwwwwww』

オレ『んんんーーーーー、マーにする!!!!!wwwwwwww』

マー『wwwwwwwwいいよーwwwwww』

そんなこんなでさらに関係が近くなったように思った。
もし深い意味がなかったにしても、オレのことは嫌いじゃないやろうし、他の人とは完全に差別化してくれてるのが嬉しいかった。

46: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:27:53.89 ID:9EEQMQM0
修造もマーも車がなかったので遊んだ後はオレがマーを車で送っていくというのが定番になっていた。
この2人になれるチャンスのために3人で遊んでるといっても過言ではないwwwwww
かといって何もできることはなかった。
ただ2人っきりの空間に居れることが幸せに感じた。
彼女の家までの20分。今でも景色を覚えている。新御堂から中環に。
そこのマクドの向こう側に見える夜景。
あと少しで彼女の家についてしまう。
彼女の家につくと、彼女は『ありがとね』と車降り、車が出るまで待っててくれる。
車が出てからバックミラーを覗くと必ずケータイで誰かと話しながら家に消えていく彼女。
誰とはなしてるんやろ・・・?彼氏いないっていってたやんな・・・?友達かなぁ・・・?なんて考えながらマンションに帰った。

48: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:33:31.41 ID:9EEQMQM0
そんな彼女に対する気持ちを抱きながらまた時が過ぎて行った。
そんな中、社員旅行に行くことになった。
期待は持てないが、もしかしたらなにかあるかもしれない、なんて思っていた。

49: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:34:37.14 ID:9EEQMQM0
旅行はみんな和気あいあいと楽しい旅行になった。
修造が持ってきたビデオカメラで上司の立ちションベンを激写し、それをバス内のテレビで流し大爆笑させた。
もちろん修造は説教を喰らっていたww
そんなこんなで旅館に着いた。
そこにはピアノが置いてあり誰でも弾けるようになっていた。

50: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:37:09.53 ID:9EEQMQM0
そのころのオレはピアノにハマっていた。
元々オレは楽器が好きで、いろんな楽器に興味を持っていた。
以前からピアノがやりたくてって話をマーにしていたら

マー『家にキーボードあるから貸してあげよか??』

オレ『ほんまか!よっしゃ、頼むわ!貸してくれ!』

マー『でもとても一人で持てそうもないから家取りにきてやぁ!』

オレ『(!?)い、いいよ!!!!』
マーの家に入れる!!!!

51: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:40:18.44 ID:9EEQMQM0
ある日曜、ドキドキしながらマーの家に行くと

マー『今誰もおれへんし、入ってきてぇー』

オレ『お、おう』

オレ『・・・おじゃましまぁーす・・・』

マー『どぞどぞww』

マー『もう誰も使ってへんから返すのいつでもいいよ』

オレ『結構デカイなー』

マー『そやろー一人では絶対持たれへんもん』

そんなことを言いながらキーボードを借り、楽譜を買い、練習していた。
彼女に借りたキーボードだからがんばろうとかじゃなく、単純にキーボードを弾くのが楽しくて楽しくて仕方なかった。
少しずつ仕組みが判って弾けていくのが嬉しかった。
これはどんな楽器でも一緒だと思う。
今でも音楽を哲学するのは大好きだww

52: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:41:57.33 ID:9EEQMQM0
そんなオレにはその旅館にあるピアノが輝いて見えたwwwwww
ヨダレものやwwwwww
隙を見つけてこっそり練習させてもらおうwwwwwwww
なんて思っていた。

マーもピアノに気づき

マー『ソウちゃん、ピアノあるやんwwwwどんだけ上達したか弾いてやwwwwwwww』

オレ『あほぉー!聴かせられるわけないやろーwwwwwwww夜中にこっそり弾きにこよーwwwwwwww』

マー『偶然通りかかったらゴメンやでぇーww』

53: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:45:07.53 ID:9EEQMQM0
オレは早く弾きに行きたかったが社員旅行というとこで協調性を重視。
風呂に入り、食事を済ませ、花火をして、、、オレはもうウズウズしていたww
オレは誰にも聴かせたくなかったので、花火でみんなが騒いでる時に何となくフェードアウトしようと考えた。
とその時マーと目があった。
オレがピアノのところに行くことを悟ったのか、マーが近付いてオレに

マー『行くのww??』

オレ『しーーーーっwwww!』

オレ『みんなには内緒やで!ちょっといってくるわ!』

マー『マーも行くwwww』
と、マーもついてきてしまった。

55: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:46:55.00 ID:9EEQMQM0
ついてきてしまったものは仕方ない。
恥ずかしいが弾くタイミングは今しかなさそうやし。。。
マーの前で無様な弾きっぷりを晒すが、ピアノを弾いてみたいという欲求には勝てなかった。
常人ではなかなか理解に苦しむ行為や欲求だと思うが、楽器好きなら分かっていただけると思うww

57: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:50:15.87 ID:9EEQMQM0
そしてオレのオンステージが観客1人という状態で始まった。
ショパンの曲を中心に練習していたので、それを恥ずかしながら披露した。
最初は恥ずかしいなぁなんておもっていたが、本物のピアノを弾いてることに感動し、堪能していた。
もちろんお世辞にも上手いなんていえたものではない。

それからいろんな曲を弾いた。同じ曲も何回も弾いた。
マーはずっとオレの傍らで聴いていた。
ピアノを弾きながら、マーはどんな気持ちでオレと一緒に来たのだろうと思っていた。
ついてきたのはいいが、逆にこの場を離れ辛くなっちゃっただけなのかも・・・

58: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:53:44.17 ID:9EEQMQM0
小1時間ほど弾いたころ、
オレ『ふぅー、満足したぁーwwww』

マー『思ってたより上手やんwwwwwwww』

オレ『どんな風に思ってたんやwwwwwwww』

こんなことを話してたら、会社の上司のイノさんが通りかかった。

イノ『おっ、お前ら、なにこんなとこでロンバケしてんねんーwwwwwwww!』
そのころ流行っていたドラマだ。

オレ『そ、そんなんちゃいますよーwwww』

イノさんはそんなことを言いながら笑ってその場を通りすぎていきました。

オレ『・・・そろそろみんなんとこ行きますかっww』

マー『そやねww』

59: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 17:58:33.83 ID:9EEQMQM0
花火も終わってみんなで一つの部屋で飲みながら、いろんな話で盛り上がっていた。
そんな中、オレとマーは帰ってきた。
高橋『花火んとき、Sちゃんの手を引っ張ってどこ連れていってたんやwwwwwwww』

オレ『は?!?手なんて引っ張ってないで?!』

高橋『オレもそう見えたし、綾ちゃんもそう見えたって言ってるでwwwwww』

オレ『いやいや、ただピアノを弾きに行ったらマーもついてきただけやで?!』

高橋『ふーん・・・ま、いいわwwwwwwwwww』

オレ『ちょ、ほんまやって!!!全然信じてないやろー!!!ww』

60: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 18:00:07.62 ID:9EEQMQM0
そんなことを高橋と話しているときに、マーをチラッと見るとケイから何か怒られているようだった。
ん??と思ったが、悪酔いをしている高橋の暴言を止めるのに必死だった。
そんなこんなでその日はお開きになり、次の日を迎えた。
昨日マーはケイに何を怒られていたんかな??ケイは酔っぱらうと説教癖があるんかもしれんなーwwww
なんて思いながらバスに揺られていた。

64: キチママちゃん 2010/07/14(水) 19:47:15.05 ID:LR8.6zUo
男性のピアノって力強くていいよね。
格好良いよ。

66: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:49:07.71 ID:9EEQMQM0
>>64

オレの場合はまともに弾けないので全然かっこよくないですよwwww

68: キチママちゃん 2010/07/14(水) 19:51:21.15 ID:LR8.6zUo
努力する姿とかって、女の子は、トキメキながら見守ってしまうんです^^;
うちだけかもですがねww

70: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:55:51.01 ID:9EEQMQM0
>>68

女の人がそんな風に見てくれているとメチャメチャやる気になりますwwww

65: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:47:59.91 ID:9EEQMQM0
目的地に到着した。
そこは陶器やガラスをいろんな形で販売している街のようなとこだった。 
バスをおり、そこから自由行動となった。
みんなで行動していたつもりがいつの間にかマーとオレの二人になっていた。

オレ『あれ?みんなどこ行ったん?』

マー『あれ?ほんまやね?』

オレ『ま、ええかwwwwww』

マー『・・・うん・・・』

オレ『???』

返事にいつもの元気がなかったので不思議に思ったが、気にしなかった。
昨日からオレとマーの関係は近づいたような気がしていたからだ。
オレは調子に乗っていた。
マーはオレに気があると思い始めていた。

67: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:50:06.89 ID:9EEQMQM0
集合時間となり、2人でバスに戻った。
マーはあまり元気がなく、言葉数も少なくなっていた。
疲れたのかなぁ?くらいにしか思わなかった。

69: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:54:29.28 ID:9EEQMQM0
それからまた通常の日々に戻った。
通常とは言え、オレの気持は今までのものとは違っていた。
マーに対する自信のようなものが出てき始めてた。

ある日の夕方、いつものように給湯室でタバコを吸おうと廊下の先にあるドアを見ると、マーが給湯室に頭だけ突っ込み誰かとヒソヒソ喋っていた。
オレの存在に気づくと、びっくりしたようにこっちを向くと、

マー『おつかれさまーww』
と取り繕うような笑顔。

オレ『???おー、おつかれー、今日はもう上がり???』

マー『うんwwwwww今日は花火大会やでwwwwww!』

オレ『あ、そっか、』

と、給湯室に入るとそこに北川さんがいた。
なぜか嫌な予感がした。

北川『お、おう、おつかれ』

オレ『・・あ、北川さん・・いたんすね』

71: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:57:11.18 ID:9EEQMQM0
マー『ソウちゃん、花火いかへんの??』

オレ『お、オレは…』

マー『私は北川さんと綾さんと行くことになってんwwwwあ、修造も行くって!!ソウちゃんもいこーやーwwwwwwww』

オレ『・・・・オレは、忙しいからやめとくわwwwwwwwwwwww、、、、、』

明らかにおかしい。
マーと北川さんの間にはなにかある。
いつもならみんなで花火を見に行くたなっても疑問すら感じないのに、今日の北川さんとマーの言動はちょっと違っていた。

72: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:58:11.83 ID:9EEQMQM0
マーはそのまま更衣室に入り、制服から私服に着替えてきた。

その時、オレは確かに見えた。マーが北川さんに目でサインを送っていた。まるで『駐車場で待ってるよ』と言わんばかりに。

73: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 19:59:33.34 ID:9EEQMQM0
オレは、、、、、、立っていられなくなった。
給湯室にしゃがみ込み、タバコを吹かして、何も考えられなかった。

そうしてるうちに事務所のほうから

部長『おーい、ミーティング始めるぞー』

オレは放心状態のまま、なんとか立ち上がり事務所に向かった。
北川さんは俺の今のこの状態に気づいているのだろうか?

74: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:01:10.06 ID:9EEQMQM0
北川さんとマーは付き合っていたのか・・・・そうか・・・
オレ、、、、、なんか、、、、、バカみたいやん、、、、
まさにピエロだ、、、、

でも、まだ確定したわけではない。このミーティングが終わったら北川さんに聞いてみよう、、、、そうだ、、、聞いてみよう、、、、
そんなことを思いながら、ミーティングの場に立っていた。
ミーティングの内容なんて全く頭に入っていない。
そうしているうちにミーティングが終わった。

75: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:02:45.68 ID:9EEQMQM0
北川さんは帰り支度を始め、駐車場に向かうところだった。
オレは心を決め、北川さんを引き止めた。

オレ『北川さん!ちょっといいですか、、?』

北川『お、どうしたん?』

オレ『ちょっとこっち来てもらっていいですか、、?ちょっと聞きたいことあるんです、、』

北川『お、おう、、』

オレは北川さんを駐車場の端の人気の少ない所に連れて行った。

76: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:04:46.33 ID:9EEQMQM0
オレの性格上、真剣に話をするということはできなかった。
オレはヘラヘラしながら口火を切った。オレはやっぱりヘタレだ。

オレ『北川さん、もしかしてマーと付き合ってるんすかぁwwww、、、、』

北川『・・・・うん・・・・ww』

オレ『や、やっぱそうなんすかwwwwwwいやー、オレ実はマーのこと狙ってたんすよねーwwwwwwww、、、』

北川『そうやったのww?なんかごめんなーwwww』

オレ『、、、、、全然いいっすよーwwwwww、、、、』
全然よくない。

77: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:06:30.75 ID:9EEQMQM0
北川『あのさー、話ついでにオレの頼み聞いてくれへん?』

オレ『、、、な、なんすか?』

北川『今日俺ら花火大会行くやん?それについてきてくれへん?』

オレ『え?なんでですか?』

北川『綾も来るやろー、綾の面倒見といてくれへんwwww?』

オレ『・・・?????』

オレ『、、、、、、ちょ、、、北川さーん、勘弁してくださいよーwwwwww、、、少なからずともオレ今失恋したてなんですからぁーwwwwww、、、、、、、』

北川『あ、、、そか、、、ご、ごめん』

78: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:08:33.36 ID:9EEQMQM0
そんなタイミングで綾とマーと修造が寄ってきた。

修造『北川さーん、早く行かないと新御堂ババ混みなりますよーwwww』

北川『おーう、今行くわっ!』

マー『ソウちゃん、ほんまにいかへんのー?』

オレ『オレほんまに忙しいねんwwwwww女からケータイ鳴りっぱなしやわーwwwwww』

マー『嘘つきーぃwwwwwwwwww』

北川の車にみんな乗り込み、オレをおいて出発していった。

79: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:10:34.48 ID:9EEQMQM0
嘘つき・・・・マーも嘘つきやん。
オレをその気にさせておいて。
彼氏おらへんって言ってたやん。嘘つきやんけ。
オレはとぼとぼとマンションに帰った。
帰ってもなにもする気は起きなかった。飯も、風呂も、何もかも。
部屋の片隅でホコリをかぶったバーボンが目に入った。
これ、いつからあるんやろ・・・・
そんなことを思いながら、チビチビ飲み始めた。
別に酒が好きなほうではなかった。でも飲みたくなった。酔いたかった。

80: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:11:39.02 ID:9EEQMQM0
オレってなんやったんやろ?オレのこと、どう思ってたんやろ?オレがマーのこと好きなのは分かってたんかな・・・?
なんかかっこ悪いなぁ、、、、そんなことばかり考えてた。
これって失恋っていうんやろな、、、初めてかも、、、、こんなしんどいの、、、、
これが初恋やったんかも・・・

81: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:15:53.09 ID:9EEQMQM0
するとケータイが鳴った。
出たくはなかったが、表示をみると大学時代からの親友のクーだった。
こいつは相変わらず間が悪い。

オレ『・・・はい・・・』

クー『おーーー!!!まいどーーーーー!!!!元気か!!!!』
アホみたいにテンション高い。

オレ『・・・・・』

クー『ん?どないしてん?』

オレ『実は・・・・フラれてん・・・いや、フラれてもないな・・・』

クー『そか、、ほなまたにするわ!元気だしや!!!!』

オレ『なんやねん、、、、状況知ってて冷やかしてるんかwwww、、、、』

クー『そんなこと知ってるわけないやろ!!ま、とにかく元気だしやー!!!』

オレ『へーいぃ・・・・』
そんな感じで電話を切った。

82: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:17:02.56 ID:9EEQMQM0
ふぅ・・・こいつも昔、失恋して凹んでるときがあったなぁ・・・・
今ではあのテンション。羨ましすぎる。
でもオレもしばらくしたらこの傷も癒えるやろなぁ。
時間、かかりそう、、、、

そんなことを思いながら、さらにバーボンをチビチビやっていた。
それから1時間くらい経った頃に部屋のインターフォンがなった。

83: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:19:49.47 ID:9EEQMQM0
誰や、こんな時間に・・・?まさか・・・マー・・・?
ここまで来てオレは何を期待してるんや、、、、

ガチャっ。

オレ『・・・はい・・・』

?『早よ、開けろ!!!』

オレ『???クー?????』

ドアを開けるとそこに満身の笑みのクーが立っていた。

オレ『ど、どしたん!?!?』

クー『失恋して一人でいるのは辛いやろww?ドライブいこうぜ!ドライブ!!!wwwwww』

オレ『・・・クー・・・・』

84: ◆AkBqXzge7. 2010/07/14(水) 20:21:40.24 ID:9EEQMQM0
オレは涙が止まらなかった。
オレはクーにつれて行かれるまま助手席に乗り込み、これまでの話をした。
話をしながら、車から見える夜景はなぜか懐かしかった。
クーが車止めるとそこは、学生時代に大騒ぎして、警察に怒られたとこのある夜景スポットだった。

オレ『なんで、ここやねんwwwwwwww』

クー『懐かしいやろぉwwwwwwww』

オレはまた涙が出た。こいつはなかなやるなぁwwwwww

オレ『・・・ほんまにありがと、、、』

クー『何言ってんねん!友達やんけwwwwwwww』

こいつにはいつかデッカイ恩返しをしないと思った。

91: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:05:48.22 ID:PJeCvqQ0
そこから気持の切り替えがすぐできるわけではなかった。
オレはそんなに器用な人間ではなかったみたいだ。

修造にも北川さんとマーの話を聞いてたら、以前から修造含む同期は2人のことを知ってたみたいだった。

マーが北川さんのことを好きになり、猛烈にアタックをしてたらしい。
北川さんは本田さんと付き合ってはいたが、うまくはいってなかったようだ。
そしてマーの気持ちに心が揺らぎ、マーと付き合うことになったらしい。

修造『あの2人の間を取り持つのも大変でしたわww。。。』
となぜか空笑いだった。

社員旅行の時のオレとマーの行為はかなり危うかったらしい。
それを察知したケイが説教をしたのも間違いないらしい。

92: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:07:06.19 ID:PJeCvqQ0
それからそんな気持ちを払拭できないまま、次の春が来たあたりの出来事だった。
北川さんが会社を辞めることになった。
どうしてもやり遂げたい夢があるらしく、最後のチャンスだといいながら会社をやめていった。
不謹慎ながらオレは北川さんの顔を毎日見ないで済むということで、内心ホッとした。
でも辞め方までイケメンだ、こりゃ完全は敗北だ。

93: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:08:45.39 ID:PJeCvqQ0
それと同時期に親父から電話がかかってきた。

親父『おい、そろそろ実家に帰ってこい』

そうか・・・もう3年経ったもんなぁ・・・

オレ『そうやね・・・上司に相談してみるわ・・・』

親父『俺からも話しておくから。こっちも人材不足で早く人が欲しいんや。』

オレ『そか。オレが帰ったところで役にはたたんかもしれんでww』

親父『俺が鍛えたるわww』

94: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:11:44.33 ID:PJeCvqQ0
そか・・・大阪をとうとう離れるか・・・・

まあ、このままいても辛いだけやし、ある意味リセットできるいい機会かもね。。。
みんなと別れるのは辛いけど、何れは帰らないとあかんかったわけやし。

会社に話をすると、いずれは帰ることになってたわけやからとすんなり快諾してくれた。
でもすぐにというわけにはいかんので、7月まで待ってくれとのことだった。
そのまま親父に話をし、タイムリミットが決まった。

95: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:13:06.29 ID:PJeCvqQ0
7月・・・短いな・・・。
ん?オレは何を期待してるんだ、、、?
オレは相変わらず彼女に対してまだ未練タラタラだった。
オレは実家に帰ることを最終兵器に彼女の気持ちを確かめようとしていた。

98: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:39:45.83 ID:PJeCvqQ0
マーは北川さんと付き合ってたが、オレや修造との時間はきっちり作っていた。
仕事中に会社から

マー『ソウちゃん、明日あそぼーww』

オレ『・・・金曜か・・・お、おう、いいよ、、、』

マー『よかったww最近なんか冷たいやぁーんww』

オレ『いつも言ってるけど、オレはい・そ・が・し・い・のww』

マー『わざわざ開けてくれてどーもww修造にも声かけとくわww』

こんな感じでいつも誘ってくれてた。
今だに理解ができないのだが、彼氏がいるのに何で??
だから変な期待をしちゃうんじゃないか、、、
でもヘタレなオレはそのお誘いを断ることができなかった。
オレはマーと北川さんが付き合ってることは知らないふりをし続けていた。

99: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:44:06.89 ID:PJeCvqQ0
その日は急遽修造が来れなくなり、オレとマーで会うことになった。
変にドキドキはしたが、その反面オレって完全アンパイになってるんじゃね?とも思った。

マー『今日どうするー??』

オレ『修造、来られへんみたいやなぁ?』

マー『そやねんてー、あ、この前ソウちゃんが話してたディカプリオの【ロミオ&ジュリエット】が観たい!』

以前話をしたことがあってオレの大好きな映画だった。
この映画は現代風に映し出されているが、セリフ等は昔のまま。
しかも映像が溜息が出るほど綺麗。

オレ『おー、あれはお勧めやで!!あれを観よう!!』
オレの部屋にマーが来ることになった。

100: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:47:00.28 ID:PJeCvqQ0
今まで来たことはあったが、二人っきりというのは初めてだ。
一番最初に醤油を借りにきたあの日が懐かしく思える。
これはもしかしたらいいチャンスでは?今まで伝えられなかった思いを伝えるにはいいシチュエーションじゃないか。
いや、オレにそんなことができるのか?ダメならこの関係が崩れて・・・・
そんなゆらついた思いのまま、ビデオを2人で見始めた。

101: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:49:45.99 ID:PJeCvqQ0
オレはこの映画のパーティで2人が初めて出会うシーンが大好きだ。
水槽越しに2人は初めて出会う。二人は心惹かれあう。言葉を交わさずして2人は恋に落ちてしまう。
このシーンを彼女はうっとりした目で観ていた。
彼女の目には北川さんがダブっていたのだろうか・・・
物語もクライマックスになり、オレは時計を気にしていた。
この2人の時間もこれまでかと思うとドキドキしていた。
オレは何かを伝えようとしていた。
最後のシーンでマーは涙を流していた。オレもなぜか泣きそうになっていた。

マー『すごくいい映画やったわー』

オレ『そやろww?やっぱいいわーww』

マー『んじゃ、そろそろ帰ろうかな・・・』

オレ『・・・・』

オレ『・・・おう、送っていくわ、』
オレ、超チキン・・・

102: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:51:51.50 ID:PJeCvqQ0
そして車に乗り込み、マーの家までの20分。
オレは会社を辞めることをマーに告げた。
マーは知っていたかのように、悲しそうな声で

マー『ソウちゃんは最初から帰ることは決まってたんやもんね。仲良くなんてならんかったらよかった。』

オレ『そんなこというなやーwwいろいろ楽しかったし、まだ何ヶ月か時間もあるしww』

マー『そやね、最後までいっぱい遊ぼっww』

オレ『うんww』

103: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 09:52:39.28 ID:PJeCvqQ0
これでいいのか・・・?

これでいい。このままでいい。

彼女は北川さんが好きで、オレはマーが好きで。
オレはこの関係を最後まで崩さないでおこうを決めた。

108: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:28:30.04 ID:PJeCvqQ0
会社を辞める話はマーに話した数日後、みんなにした。
でも仕方がないことと、最後まで楽しくやろ!という感じでしんみりせずに話ができたかと思う。

109: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:31:55.07 ID:PJeCvqQ0
この話した夜にオレの部屋のインターフォンが鳴った。

オレ『はーい』インターフォンに出る。

修造『オレでーす、修造でーす』

オレ『おう、今開けるわ』

ガチャっ。ドアを開ける。

オレ『どしたん?』

修造『ちょっと話したいことがあって・・・』

オレ『まぁ、入れや』

オレの部屋に入り、オレはベッドに座り、修造はテーブルの前に胡坐をかいた。

オレ『どしたん?』

修造『Fさん、辞めるんすよね・・・』

オレ『なんやねん、今さらww』

110: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:34:34.53 ID:PJeCvqQ0
修造『いや、実はオレも実家に帰ってこいって言われてるんすよ・・・』
修造も実家は商売をやっていて修行という形で入社していた。

オレ『そうなんか、、、で、いつ帰るんや?』

修造『8月くらいかなーって思ってるんですよ、、、』

オレ『ほんなら早く会社に言わなあかんやん。』

修造『そうなんすけどね、、、なかなかふん切りつかなくて、、、』

オレ『ダラダラしてるとお世話になった会社の迷惑になるぞ!できるだけ早いうちに行ったほうがいいって!』

修造『・・・そうすよね・・・』

オレ『ま、オレも偉そうなことは言えないんやけどねww同時期に辞めることになりそうやし、今後お互い実家に帰ってがんばろうぜ!』

修造『・・・そうすねww!がんばりましょう!』

その翌日修造は上司に相談し、9月で話が纏まったみたいだった。
会社としても迷惑な話だろうなww一気に二人もやめてしまうんやからww
申し訳ない気持ちはあったが、こればっかりは仕方なかった。

111: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:36:14.04 ID:PJeCvqQ0
そうこうしてるうちに6月の末になり、引っ越しも終わらせ大きな荷物はすべて実家に送った。あとの生活用品は自家用車に積めばOK。
何もない部屋に弁当を広げ、一人で突いていると何とも言えない気持ちになってくる。
このマンションにも会社の人間も増え(修造の1年下と2年下の後輩が1人づつ入った)、オレと修造が抜けても賑やかなままだろうと安心していた。
ここでいろんなことがあったことを思い出しながら、最後の夜を超えようとしていた。

112: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:42:06.86 ID:PJeCvqQ0
そこにケータイが鳴った。
表示をみるとマーだった。
ここまできたら一切期待はしてなかった。

オレ『もしもーしww』

マー『・・・・・・』

オレ『ん?もしもぉーしーww』

マー『・・・・うん・・・』

オレ『どしたんやww?フラレたんかww?』

マー『・・・違う・・・』
ちょっとガッカリwwwwww

マー『明日からソウちゃんがいなくなると思うと悲しくて・・・・』

オレ『オレのほうが100万倍さみしいわww』

オレ『マーの周りにはみんなおるし、何も変わらないよ。オレなんて今から新しい会社に入るなんて地獄やぞww』

オレ『人間関係を1から構築しないと。またマーみたいに仲良くなれる子いるといいけど。』

マー『ソウちゃんなら、すぐ友達できるってww』

オレ『オレって人見知りやしww』

マー『嘘つきぃww』

オレ『・・・オレ、嘘つきは治らんわww、、、、』

マー『今まで仲良くしてくれてありがとね、、、』

オレ『オレこそありがとww、、、』

オレ『またメール(この時代はまだショートメールだった)でも入れるわww明日最後に会社に挨拶いくしww』

マー『わかったwwそれじゃねwwバイバイ、、、』

オレ『バイバイ、、、、』

電話を切ると、大きなため息が出た。
その日は眠りにつくことができないまま朝を迎えた。

113: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:44:59.88 ID:PJeCvqQ0
その日は朝の9時ごろに会社に行った。
最後の挨拶だ。いる人一人一人に声をかけ、今までのお礼を言って回った。
オレは最後にいつも怒られていた部長のデスクに挨拶に行った。
オレ『いろいろ御迷惑おかけしました、、、ありがとうございましたww、、、』
部長はPCのディスプレイから目を離さず
部長『おう、元気でやれよ。』
オレの顔は一度も見なかった。
その光景をみていたみんなも苦笑いだった。
でも部長が人情味熱くて涙もろいことはみんなが知っていた。

114: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:47:13.70 ID:PJeCvqQ0
オレはもう一度部長にお辞儀をして事務所を後にした。
駐車場に行くと、高橋と綾ちゃん、修造が俺を見送りに来てくれた。
通常だとこの時間には営業である人間は社外に出てしまっている。
高橋と修造はオレを見送るまで待っててくれたのだ。ありがてぇな。
綾ちゃんも事務の忙しい時間にも関わらず、見送りをしてくれた。
ただ、マーの姿はなかった。最後にもう一度顔を見たかったが、マーは最後まで現れなかった。
名残惜しかったが車を出発させた。
そのまま新御堂を通り、名神自動車道に車を進めた。
大阪の風景をしっかり目に焼き付けていた。
エキスポランドの観覧車も見えた。いつかみんなで行ったことがあった。そんなことも思い出しながら車は北に向かった。

115: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:53:52.94 ID:PJeCvqQ0
そしてオレは実家に帰った。
すべてをリセットして新しい生活を始める。オレが求めていたことだった。
オレが実家に帰ると、エイジは喜んだ。
飲み会やナンパ、もちろん仕事もがんばった。
しかし部屋の片づけだけはがんばれなかったww
未だに引っ越しで送った段ボールはそのままになっていた。
ある日、ようやく段ボールに手をつけ始めた。
ほとんどの段ボールの中身は、オレの宝物のCDだった。
CDを片づけながら大阪の思い出に浸っていた。
その中で一枚のCDに目がいった。
クラプトンの「change the world」だ。
大好きな歌でギターでもよく弾いてた曲だった。
マーにもいい曲だからと言って貸してあげたことを思い出した。
何気なくケースを開き、中のカードを見ようとした。
ん?中にメモのような紙きれが。

『いい曲でした。ありがとう byマー』
と書いてあった。
今まで気づかなかった。

オレ『・・・・遅いねんて・・・・』

オレは何となくそんなことをつぶやいてた。
自然に出た言葉で、なぜそんな言葉が出たのかもオレはわからなかった。
オレはその紙をクシャクシャに丸めた。そしてごみ箱に投げ入れた。

116: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 13:55:28.17 ID:PJeCvqQ0
しかしそのあとすぐ、クシャクシャになった紙を拾い上げ、綺麗に伸ばしてもう一度CDケースに戻した。

117: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:00:12.43 ID:PJeCvqQ0
実家に帰り、一カ月もしないうちに修造から電話が入った。

修造『ちわーっすww元気ですかww』

オレ『おww元気やでwwお前らも元気かぁー?』

修造『相変わらず元気っすよーww』

オレ『んで、なんかあったん??』

修造『いやね、今度社員旅行でFさんの実家の近くに行こうって話してるんすよーww』

オレ『・・・そ、そうなんww、、、』
オレ『でもこんなとこ来てもなんもないでーww、、、、、』

修造『Fさんがいるじゃないですかww』

オレ『、、、そ、そうかww』

修造『日が決まったら連絡いれますから、宴会には絶対きてくださいねぇーww』

オレ『、、、おう、考えとくわww、、、、』

はっきり言って迷惑だった。
すべてをリセットしようとしてる時に。
オレはたぶん行かないだろう。いや、行かないと決めていた。

118: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:02:09.17 ID:PJeCvqQ0
8月の末に社員旅行が決まったらしい。
その日は仕事かもしれんとあやふやな返事でやり過ごしていた。

とうとう当日。
なんの予定もなかった。電話が鳴った。でも電話には出なかった。
それでいいと思った。お世話になった上司や先輩には悪いことをしたと思ってはいるが、これ以上傷つきたくはなかった。
それから数日後に、修造にごめん!と連絡だけしておいた。
みんな楽しみにしてたらしいので本当に申し訳ないことをしたと思ったが、オレにはそれでよかった。

119: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:05:59.52 ID:PJeCvqQ0
それから大阪とは何の接点もないまま冬を迎え、オレも新しい生活にようやっと馴染んできた。
実家に帰ってから初めての冬の楽しみは、スノーボードだった。
大阪で就職したてのころに、クーに教えてもらったことがきっかけだった。
大阪にいたころもよくクーと兵庫県の上の方まで滑りに行った。
実家に戻ってからは、仕事が終わってから一人で行くこともしばしば。
一人で行くと誰の気も使わず、自分の好きなだけ、気の済むまで滑れるからよかった。
周りのみんなには『一人って寂しくない??』なんて言われたが、一人が楽だった。
リフトに乗りながら、次の滑りのイメージをしたり、上手い人のテクを見ながら研究したり。そして一人でとことん練習する。誰にも迷惑がかからなく、自分も楽だった。
たまにクーも滑りにきた。クーはオレのボードの師匠。気を使わずにいろいろ教えてくれるいい師匠だ。
次はサーフィンを教えてくれるらしい。

120: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:08:19.62 ID:PJeCvqQ0
私生活も相変わらず特定の人を作ることはせず、一人を満喫していた。
というよりもマーを超える気持ちになる人がいなかったからかと思う。
そんな感じで1年が過ぎ、また冬が来た。

121: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:30:45.89 ID:PJeCvqQ0
新しい会社の先輩からスノーボードに誘われた。
先輩は女の子を何人か連れて行くから絶対きてな!と言っていた。
ボード合コンって感じか?
まぁ、ボードができるんなら行きますわ!女の子に興味がないわけではないが、ボードのほうが魅力的だった。
男3人、女3人くらいだったと思う。

122: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:34:38.26 ID:PJeCvqQ0
オレの車は4駆だったため強制的に足となることになった。
あとは先輩の車。3人3人に分かれて乗ろうということになった。
オレの車には、別の先輩と女の子が1人乗った。
女の子は俺の助手席に座った。

ミナ『ミナっていいますっ!よろしくですww』
なかなか元気そうな、佐藤藍子?みたいな感じの子だった。
年齢はオレの2個下。

オレ『ソウです。よろしくなww』

先輩『先輩でーすww』

そんな感じでスキー場に向かった。
車中は賑やかで楽しかった。くだらない話や、ボードのウンチクなど。
そんな話をしてたら、ミナはオレの地元の後輩と仲がいいらしく、ローカルな話で盛り上がり、先輩は後ろでふて寝していたww

123: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:36:52.30 ID:PJeCvqQ0
そんなこんなでスキー場に着くと、オレの目つきが変わったww
ここのスキー場は初めてのところで、すごく手入れのよいキッカー(ジャンプ台)あると評判だった。
オレは早く滑りたくてウズクズしてたのだが、リフトで上がるまではみんなとともに行動しないといけないという空気があった。
仕方なく上まで上がると、あとはこっちのもんww滑って行ってしまえば、みんなをマけるwwそのあとは自分の好きなポイントへww
オレはみんなが出る前に、フライングスタートした!

124: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:40:29.70 ID:PJeCvqQ0
とりあえず後でハグれちゃったとか言えば大丈夫やろww
完全にマいたww

と、思ったら遠くから声がかすかに聞こえた

?『・・・・クーン・・・』

オレ『ん?』

ミナ『ソウくーん、待ってやぁー』

オレ『!?おいおい、、、マけてないやん、、、、』

聞こえない振りをしようかと思ったが、彼女はもうそこまで来ていた。
オレ『・・マヂか・・・・しゃあねえか、、、』

ミナ『おいて行かんといてやぁーww』

オレ『、、、あ、ごめんごめん、、嬉しくて飛び出しちゃったww、、、ww、、』

ミナ『一緒に滑ろっww』

オレ『あ、、、うんww、、、、』

今日は女の子の面倒を見なあかんのか・・・・先輩の顔もあるし、仕方ないわ。。
また昼にでもチャンスがあれば逃亡してやるww
ここで一つ言っておくが、オレは決して硬派な人間ではない。
上記内容を見ると女には興味がないってニュアンスだが、ただ「女の子<ボード」というだけなのだ。

125: キチママちゃん 2010/07/15(木) 14:42:10.51 ID:rHFhJP2o
青春だな~

127: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:46:25.87 ID:PJeCvqQ0
>>125

青春と呼ぶにはちと遅かったかもww

126: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:45:15.61 ID:PJeCvqQ0
しかし滑り始めると、ミナは結構滑れて上手だった。
この子となら滑ってても楽しいわww
今までは女の子とボードに行くと、すぐ休憩するし、一気に滑って降りることもできない。オレにとっては苦痛でしたなかった。

オレ『次はあのキッカー行くかwwww』

ミナ『よっしぁーwwwwww』

オレ『ほんまに行けんのか??』

ミナ『嘘でーすwwwwwwww無理っすwwwwwwww』

オレ『wwwwwwおまえ、おもろいなwwwwww』

てな感じでその日はミナと一緒に滑って終わった。
帰りにみんなでファミレスに行き、今日の話をしながらご飯を食べた。
そしてみんなの連絡先を交換して別れた。

128: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:48:14.65 ID:PJeCvqQ0
早速帰りがけに、ミナからメールが入ってきた。しかもデートのお誘いww
早えーなーwwおもろいからデートの誘いに乗っておくかww

そして次の週くらいに映画を見に行った。何の映画だったかは全く覚えていない。
ただ彼女が本当にうれしそうに笑ってた。ただ笑顔が印象に残った。

129: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:49:53.11 ID:PJeCvqQ0
それから自然な流れでミナと付き合うようになった。
家も近かったので、会社の帰りには必ず寄って帰るようにしていた。

社交的な子だったので、友達などに会わせてもすぐにとけ込んでくれてすごく楽だった。
冬はボードという共通の趣味があったし、夏は海にも行った。完全に生活に馴染んできた感があった。

130: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:53:58.49 ID:PJeCvqQ0
付き合い始めて、2年位が経ったころ。
オレは28歳、ミナは26歳。
オレの地元ではそろそろ結婚の話があってもいい年齢になってきている。

ミナは長女で親は結婚相手として養子を希望している。
オレも長男、商売もしていることから養子にいくなんてもってのほかだ。
そこでナミがオレに聞いてきた。

ミナ『ソウちゃんって、あたしと結婚する気あるの?』

オレ『あるけど、お前って長女だよね?』

ミナ『そんなこと最初から判ってることやん!』

ミナ『ソウちゃんにその気があるんなら、あたしが親を説得する』

オレ『、、、そっか、、、ちょっと考えさせて、、、』

ミナ『・・・わかった・・・』

オレはこの子と付き合い始め、いろんなことを想像してきた。
もちろん結婚のことも。
しかし、目の前に結婚を突きつけられた時、オレはなんの返答もできなかった。
どうしよう。
こんな時に頭ん中にちらつくのは相変わらずマーのことだった。

131: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:56:18.34 ID:PJeCvqQ0
あれからいろんな話を修造の一年後輩の木村から聞いた。
木村は、オレと同じマンションに住んでたヤツで、専門学校を卒業後に会社に入社。
年齢的には俺の4つ下になる。オレが担当していたお客さんを引き渡した、直属の部下だ。
なかなか愛嬌があって可愛らしいヤツで、オレが実家に帰ってからも
『Fさーん、ちょっと聞いてくださいよー』
なんて電話してくるヤツだった。

132: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 14:59:29.19 ID:PJeCvqQ0
修造が実家に帰ってからしばらくして、木村から電話があった。

木村『Fさーん、今いいっすかぁー?』

オレ『ええよーww 今度はどんなことがあったんやwwww?』

木村『ちょっとー僕暇なんすよーーww』

オレ『wwwwおいwwww、知らんがなwwwwwwwwww』

木村『あ、そう言えば修造さんの帰るときの話ききましたぁ??』

オレ『ん?オレは聞いてないなぁー?なんかあったん?』

木村『いやー大変でしたよーww修造さん、みんなに帰る時間言ってなくてww修造さんも寂しかったんでしょうww誰にも言わずに帰ろうとしてたんですよーww』

オレ『へー・・・アイツらしいと言えばアイツらしいねー』

木村『修造さんはフェリーで帰ったんですけど、僕と修造さんの同期連中と高橋さんと行ったです出港のギリギリ間に合うかんじでwwww』

133: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 15:02:09.90 ID:PJeCvqQ0
木村『そこからがドラマみたいでwwww出港ギリギリで間に合ったんで最後に水臭いなぁーとか言って、でも別れを惜しんでたんすよwwその時になんと修造さんはSさんに告白したんすよwwwwww』

オレ『へぇー・・・・(修造はマーのことが好きやったんか・・・)』

木村『結果は残念な感じやったんすけどねww修造さんはSさんにとってお兄ちゃんみたいな存在なんですってww』

そんなことがあったんか・・・修造はマーのことが好きやったんか・・・。
それなのに北川さんとマーの間を取り持ってたんか・・・辛かったやろな・・・・そうなんか・・・でも、修造はちゃんと言えたのか・・・それに比べてオレは・・・ウルトラチキンじゃん・・・・。超ヘタレ・・・・。

134: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 15:08:40.17 ID:PJeCvqQ0
木村『それともうひとつ大ニュースwwwwww!』

オレ『・・・・なんやねんww?』

木村『なんとSさんと僕が付き合うことになりましたwwwwwwwwww』

オレ『えぇっ???!!!!!』

オレ『だ、だってマーは北川さんと付き合ってるやん?!?』

木村『フラれたんですってww』

オレ『?!』

木村『なんか北川さんに好きな人ができたらしくて、あっさりフラれたらしいですわww』

オレ『、、、、、、で、、なんでお前が、、、、??』

木村『僕、実は好きやったんすよwwwwwwんで、いろいろ遊んでいるうちに仲良くなって、ほんでOKもらったんすよwwwwww』

オレ『、、、、そうなんか、、、おめでとww、、、、』

木村『なんか、Fさんには言っとかないといけないかと思ってwwwwww』

オレ『、、、、な、なんでやねんっww、、、、、』

木村『wwwwwwwwwwwwwwww』

こ、こいつ、、、、オレの気持ちを知ってたのか??、、、
しかし、こいつはいつもヘラヘラして話をまじめにする気があるのか??

135: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 15:12:12.48 ID:PJeCvqQ0
この3年近くの間にこんなこともあったわけだ。
にも関わらず、オレの気持ちの中には相変わらずマーがいた。

ミナのことで滅入っていたこともあり、久々にメールでもしてみようと思い、軽い気持ちでショートメールをした。ほんとに軽い気持ちだった。

オレ【元気にしてるかぁー?】
返信はすぐにあった

マー【元気にしてるよ、てかショートメールで誰かと思ったww】

オレ【オレのアドは*********@*********ここにメール頂戴!】

マー【めっちゃ久々やん^^ソウちゃん、元気にしてたん?】

オレ【おう、オレはいつでも元気に遊んでるで(笑)】

マー【(笑)ソウちゃんらしいな^^今会社でみんなでサッカー観戦してんねん^^】

オレ【そっか^^ 楽しそうやな、みんな元気にしてる?また暇になったときでもメールちょうだいな^^】

マー【うん、ソウちゃんが迷惑じゃなかったらメールしまーす^^/】
そんな軽い感じでメールのやり取りがはじまった。

136: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 15:16:35.81 ID:PJeCvqQ0
日を追うごとにメールの回数が増え、昔話や近況報告。
今日あった出来事なんかもメールで話するようになっていた。
ほぼ毎日のようにメールを交わしていた。

そんなある日の夜、マーとメールをしていたら突然マーからの電話があった。

オレ『?!もしもし?!?!?』

マー『ソウちゃん、びっくりしたwwww???』
相変わらずの可愛い声だった。

オレ『てか突然どうしたん?!?!?!?』

マー『びっくりさせようと思ってww』

オレ『参ったわww』

それからオレとマーはいっぱいしゃべった。
これまでメールでは伝えられないことも。
もちろんオレの気持は伝えてはない。
ありきたりな言葉かも知れないけれど、夜がこんなに短いと思ったことはなかった。

それからはまたメール中心のやり取りになったが、今まで以上にマーへの思いは募っていった。

143: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 17:42:07.06 ID:PJeCvqQ0
いつものようにマーとメールをしていると、こんな企画が持ち上がっているとマーは言った。
マーには2人の親友がいて、毎年3人で海に行ってるという。
その企画が今年はオレの地元の県になっているらしい。

マー【近いんなら久々に会おうー^^】

オレ【ほんまかー!絶対会いにいくわー^^!!!!】

オレは内心迷っていた。
このまま忘れようとしてた人。オレの後輩の彼女。オレには彼女がいる。いろんなことが頭ん中を駆け巡っていた。

144: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 17:49:02.72 ID:PJeCvqQ0
ミナとも付き合っていたが、完全に気持ちは離れていった。
ミナと終わりにしなければいけなかった。
マーと進展があるわけではないが、これ以上ミナを傷つけるわけにはいかなかった。
オレが辛かっただけなのかもしれない。
ミナを呼び出す。
ミナも何となく最近の言動から察してるみたいだった。

オレ『おう、、、、、』

ミナ『・・・・・・・・』

オレ『あのさー、、、』

ミナ『女・・・?』

オレ『へっ・・・??』

ミナ『女ができたの??』

オレ『・・・いや・・・、オレって大阪にいたやん?、、、、そんときにやり忘れたことがあってん・・・・』

ミナ『・・・なにそれ・・・?』

オレ『それをやるために・・・・』

ミナ『もういいわ・・・なんかややこしい・・』

オレ『・・・ごめん・・・』

ミナ『ソウちゃん、たぶん後悔するわww、、、』

ミナは涙をいっぱい溜めて笑っていた。

145: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 17:56:50.17 ID:PJeCvqQ0
それからの数日、オレはまだ迷っていた。
土曜の仕事が早めに終わり、家に帰ろうと車を走らせていたが、このまま海に行こうと進路を変えた。
なんか家に帰るのがいやだった。
夕方でまだ日は残っているが、だいぶ涼しくなってきて、昼間の熱さが嘘のようだ。
堤防に座り、ぼんやりとマーのことを考えてた。
ふとエイジに相談しようと思い、ケータイを鳴らした。

エイジ『おーどうした???』

オレ『・・・ちょっとさー、相談したいことがあって・・・』

エイジ『なんや?珍しいなー』

オレ『今○○の堤防におるんやけど・・・・』

エイジ『wwww黄昏すぎwwwwww今から行くわwwww』

オレ『わりぃ・・・・』

20分ほどするとエイジの車が止まった。
エイジ『おーう、どーしたんやー?』

オレ『ごめんなぁーww』

146: ◆AkBqXzge7. 2010/07/15(木) 17:59:10.64 ID:PJeCvqQ0
それからオレはエイジにすべてを話した。
エイジにはちょっとしか話してなかったので、すべてを話すのに時間がかかった。
しかしエイジの言葉はあっさりしたもんだった。

エイジ『そんなん行くしかないやろwwwwwwwwてか決まってるんやろwwww?』

図星だった。
オレは無意識に会いに行くきっかけを親友であるエイジに求めたのだろう。

エイジ『誰だって背中を押してもらいたいときもある。おれがソウの背中を力一杯おしてやるわwwwwww』

さすが腐れ縁だけのことはあるww
オレはエイジが親友であることをありがたいと思った。

その日の夜にマーにメールをした。

オレ【今度会いに行きます。】

マー【やったー^^楽しみ^^】

引用元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1278908250/

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